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きっかけはアクシデント。 [クルマ]

今年に入ってしばらく経った、まだ雪が解け残る冬のある日。
珍しく休みが取れたので妻子を連れて(ワープアなのに妻子がいるのだ!)鄙びた温泉郷へ向かった。
貧乏だが年に1回くらい温泉宿に泊ってゆっくりしてもいいだろう。
妻子も喜ぶし。
目指す温泉の泉質はモール泉。
モール(Moor)とはドイツ語で泥炭のことである。
泥炭に透過された湯はお肌に非常に良いのだそうだ。
既に私も「中年」と後ろ指をさされてもおかしくない年齢になっている。
オジサンでもプルツヤお肌でモテカワスリム(!)になりたいのだ(爆)。
ちなみにこのモール泉は世界でも日本の十勝地方とドイツのバーデンバーデン地方の2箇所にしか湧出していないらしい。
ドイツ好きとしては行かないわけにはいきませんな。ふふふ。

さて愛車ラクティスを駆って財政破綻で全国的にも有名になった夕張市を通り過ぎ、峠の直線をのんびり下っていた時の事。
眼前のコーナーから赤いプジョーが横を向いて飛び出してくるのが見えた。
選りによって206CCだ。
このクルマは電動で開閉する屋根を備えている。
ちょっと欲しいクルマである。
しかし屋根を開閉するためのアクチェーターやらモーターやらがトランクルーム周辺に配置されている為に、小型FWD車としては後輪加重が大きいのが欠点だ。
このようなクルマは低μ路では後輪の滑り出しが唐突な上、一端スピンモードに突入するとコントロールが非常に難しい(らしい)。
さて赤いプジョーはまさにそんな感じでインに巻き込むような姿勢でスピンモードに陥っており、コチラから見て右側のガードロープにまっしぐらといった状態だった。
私の前を走っていたミニバンがすんでのところでかわして行く。
車間距離を長めにとっていた私は余裕を持ってブレーキングを開始した。
憐れプジョーよ、ガードロープの餌食となるか。
なんて思いながら。

だがしかし私は甘かった。
いやもうお話にならないくらい甘かった。

完全にコントロールを失っているプジョーのドライバーは右いっぱいにカウンターステアを当てていたのだ。
そりゃそうだろう。何故気付かない?
パニックブレーキで俄かに前輪加重の高まったプジョーのフロントタイヤは突如としてグリップを取り戻したのだ(多分)。
もちろんステアリングは右に目一杯切ったままだ。
当然プジョーは我がラクティス目掛けて突進してきた。
私も慌ててフルブレーキに移行するが時既に遅し。
視界の右半分が赤く染まるとともに嫌な音が響き渡ったのだ。

多少なりとも運転には自信があった。
スピードを出しすぎない限り大抵の危険は「ウデ」で避けられると思っていた。
しかし衝突を避け切ることは出来なかったのだ。
私は何とも表現しがたい無力感に包まれた。

つづく。

タグ:事故
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