さて。
警備員は総じて貧乏である。
誰もが知っているセコムやアルソックですら大卒初任給は18万円くらい。
大手マスコミなんか28万円くらいだからその差がいかに大きいか知れよう。
最大手でさえその程度なのだから中小警備会社の低賃金は推して知るべし。
最低賃金の安い北海道の場合、最底辺の警備員は酷いアリサマになる。
「1勤務16時間(うち仮眠4時間)、月定休『2』日、月給88000円」
冗談だろう?と思われるだろうがハローワークで警備員の職を探すとそんなのしか見つからない。
月に2日しか休めないなんて労働基準法違反では?
なんとなんと、これがギリギリ違反ではないのだ。
「監視業務」と言う規定が労働基準法にはある。
要するに「守衛なんてただ座って周り見ているだけの楽な仕事でしょ。だから安く長時間働かせてもいいよ」と国によって定められているのだ。
フザケンナ!と思う。
基本的に座って見ているだけかもしれないが、何かあったらいちいち命がけになるのが警備屋だ。
座っているから楽だって?
お役人様がいかに物事の表層しか見ていないか窺い知れますな。
我が職場も夜勤に限って監視業務に認定されている。
が、限りなく黒に近いグレー。
警備員とは名ばかりで、一番重要な仕事は帰宅が深夜になった社員さんにタクシーチケットを発行する事。
次は電話交換。
私の派遣先は優良企業だが夜間に「はい、〇〇社でございます」と電話に出るのは下請け警備員なのだ。
苦情処理も重要である。
お次は朝大量に届く新聞を部署ごとに仕分けする事かな。
警備なんて手が空いているときに片手間にやるくらいですな。
これらが「座っているだけの楽な仕事」だろうか。
お客様の生命、身体、財産をお守りする!と希望に燃えて入社してきた若者が、あっと言う間に熱意を失うカラクリ。
それが監視業務規定なのだ。
こういった馬鹿げた制度を野放しにしていては全国の警備員は救われない。
毎日真面目に働いていても一生、生活保護をはるかに下回る収入しか得られない。
うつ病と診断してもらって生活保護をもらえば収入が何割り増しにもなる。
警備業界の実態はその程度なのだ。
知らなかったでしょ?
マスコミは報じないからね。
なぜなら警備員の処遇改善を求める報道をしてしまったら、自分達が今安く使っている警備員にも十分な報酬を払わなくてはいけなくなるからだ。
マスコミがワープアの代表として取り上げるのは決まって介護職だが。
彼らの平均年収は警備員の1.5倍くらいある。
介護職の給料が増えたってマスコミの出費は増えないからね。
警備員、空調管理員、清掃員、そういった人達の収入を増やすとマスコミの出費も増えるのだ。
誰だって身銭は切りたくないよなぁ・・・。
北海道新聞が「最低賃金を引き上げてワープア救済を」てな事を社説で論じていたが、その北海道新聞で働く警備員だってワープアだと思う。
ひょっとしたら社説を書いた偉い記者さんはそんな事知らないかもしれないけど。
マスコミに窮状を取り上げられる事もなく、国によって安くこき使われることを認められた警備員。
我々は「棄民」なのだ。
日本社会を維持していくシステムの中で最底辺に組み込まれちゃったのですな。
まあ、私はそこまで貧乏じゃないけれど。
それでも生活保護受給者よりは低収入らしい。
母子加算もらっている人が勝ち組に見える。
「手取り24万円じゃ足りない!」って怒っている生活保護受給者をニュースで見たことがあるが、24万も貰えるなんて羨ましいと思った。
最低賃金を引き上げて生活保護との格差を無くす事は政府の急務だと思うが、その最低賃金よりも合法的に安く使われている人が大勢いる事を多くの人に知ってもらいたい。
マスコミが取り上げる事は無いだろうから自分で書いた。
うんまあコレは愚痴ですよ。
お付き合いいただきましてありがとうございました。
ワープアだけど環境問題には無関心じゃありませんぜ。
デジカメに電池たくさん使うのが心苦しいのでこの充電池セット買っちゃった。