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きっかけはアクシデント その3。 [クルマ]

「大丈夫ですか?」
頭上から声がした。
後続車のドライバーが横転した我がラクティスに攀じ登って助手席のドアを上から開けてくれたのだった。
ありがたい。
お願いしてリヤゲートを外から開けてもらう。
ラクティスは広い室内空間がウリの一つである。
広告に偽りは無かった。
横転していても車内を余裕で歩き回れる。
後続車のドライバーにお礼を言いながら家族揃って外に出た。

前日の記事を読み返してみると、何だか横転した車内で長時間モゾモゾやっていたように思えてしまうが実際に閉じ込められていたのは30秒かそこらだ。
車両火災が怖かったので早く外に出たかったし、後続車のドライバーもそれを心配してダッシュで助けてくれたのだろう。
本当に頭が下がる。

外に出てみると大勢の人が待ち構えていた。
「ケガは無い?」
「僕見てたから証言しますよ」
「警察と救急車呼んだから」
対向車も後続車もみんな止まって寒い中降りてきてくれていたのだ。
「昔と比べて人情の薄い世の中になった」なんてしたり顔で言っているのは何処のどいつだ。
日本はまだまだ人情の国じゃないか。
感動して泣きそうになる。

プジョーのドライバーもすぐに謝罪に来た。
せめて救急車が来るまで自分のクルマで暖を取って下さいと言う。
せっかくなので息子を乗せてもらった。
WRCのビデオで洗脳されている息子はプジョーに乗れて喜んでいる。
本当に誰に似たのか全然分からないが息子は呑気だ。
お互いに怪我がない事を確認して「とりあえず事故処理を確実に行ないましょう」とプジョーのドライバーに話した。
どう見ても我々が被害者でプジョーが加害者と言う雰囲気になっている。
それはそうなのだが私達一家にあんなに優しくしてくれた皆さんがプジョーのドライバーには露骨に冷たい。
さすがに叱責する人はいなかったが見ていて気の毒になるほどだ。
間が持たないので横転したラクティスをカメラに収め、「グラウンド・ゼロ」を確認する。
路面にはわずかに雪が残っていたので双方のタイヤの痕がクッキリだ。
衝突地点も衝突経路も用意に確認できた。
「こう言う状態でこう操作してこちらの車線に飛び出したのですね?」
プジョーのドライバーに確認すると「その通りです」と言う。
私が見て取ったままである事が分かってちょっとばかりホッとする。
しかし何故横転までいったのだろうか?
衝突地点の少し先の路肩に解け残った雪山がありタイヤの痕が着いていた。
右横からぶつけられたラクティスは路肩に押し出されガードロープに押し付けられながら雪山に乗り上げたのだ。
なるほどそりゃ横転するわ。
状況が全て理解できて溜飲が下がる思いだ。
気が済んだのでプジョーのドライバーと一緒に路面に散らばった部品を路肩に片付ける。
ほとんどプジョーの部品だ。
プジョーは衝突の後スピンしてバンパー、ボンネット、ラジエターなどフロント周りの部品をあらかた撒き散らしオシリからガードロープに刺さるように止まっていた。これで後部もおじゃんである。
見るも無残だがキャビンは完全に無事なようだった。
プジョーのボディは正しく安全設計されているのだな。
こんな時にアレだが壊れたプジョーを見ながら妙に感心した。
やっぱり皆さんが手伝ってくれてまた感謝する。

ほどなく救急車がやって来た。

まだまだつづく。

タグ:事故
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